ポルトガル語は10の国と地域の公用語になっている言語です。世界中で話されている英語も国や地域でいろいろと違いがあります。同じように、一口にポルトガル語といってもそれぞれ言葉の使い方や発音が違うのをご存知でしょうか。
私は細々とポルトガル語の翻訳と音声起こしのお仕事をやっています。この中で私がお受けするのは、ブラジルのお仕事のみにしています。
これからポルトガル語の勉強を始めたいと思う方は、ポルトガル語なら全部同じと思わないで、ポルトガルとブラジルと2つの国のどちらを選ぶかを考えてほしいと思います。
ブラジルとポルトガルのポルトガル語
ブラジルのポルトガル語に限定するきっかけとなったのは、あるポルトガルの取材映像のポルトガル語音声起こしのお仕事でした。ポルトガルとブラジルでは違うということは知っていましたが、一緒に作業してくれる人もいたし、なんとかなると思ってお受けしました。
ところが、やってみたら苦労の連続だったのです。
音声起こしは、依頼主から録音や録画を預かって、それを聞いて音声を文字に打ち直す仕事です。私の場合は、研究用のインタビューや取材映像などが多いです。
2つの国のポルトガル語
いただいた録音を聞いてみると、巻き舌の発音やこもって聞こえる響きに言葉や文法の違い。音質には全く問題がなかったのに、はっきり聞き取れないところが多く、何度も聞き直しました。
その後に続いた翻訳でも、言葉の意味が違ったり、ブラジルでは使われていない私の知らない単語が使われていたり、文法が違ったり。
全く分からないわけではないのですが、普段触れているブラジルのものとは随分違っていました。
ブラジル人に分からないポルトガル語
もちろん分からないところは、辞書やネットで調べたり、ブラジル人に聞いてみたりしました。この時知ったのですが、なんとブラジル人でもポルトガルのポルトガル語が全部分かるわけではないんですね。
ネイティブのブラジル人にも分からないので、ブラジルのポルトガル語はいっそのことブラジル語と呼んではどうだという話もあるそうです。
(※ちなみに日系人の中にはポルトガル語をブラジル語と呼んでいる人がいますが、これは単にそう呼んでいるというだけです。)
大げさかもしれませんが、私は今ではこの2つを別の言語だと思うことにしています。
最後に
このお仕事の経験から、お受けするお仕事はブラジルのポルトガル語に限定することにしました。私の力不足ではあったのですが、2つのポルトガル語の違いに戸惑いました。
もしかしたら、私と逆の立場でブラジルのポルトガル語のお仕事に苦労された方がいらっしゃるかもしれませんね。
ポルトガル語だから全部同じというわけではありません。
もしこれから勉強してみたいと思うなら、できるだけ早い段階でこの2つの国のどちらに絞ってポルトガル語を勉強するのかを決められることをおすすめします。
好きなサッカー選手がいるから。文化に興味があるから。どちらでもいいと思います。選んだ国のネイティブの発音を聞き、文章を読んで、効率的に覚えてください。
画像
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